問い。
「うわっ。どうしたんだよこの部屋」

和樹の部屋を訪れた俊平は、ドアを開けた瞬間
見慣れた風景から一変した部屋に対して問いかけた。
部屋の主はピカピカと光りそうなほど片付いた部屋でくつろぐ。
和樹が片付けたのではないことは明白である。


それは今から3時間前。
和樹の部屋にノックの音が響いたのは。

「裕です」
「どうぞ」
「和兄、辞書借りても……………」
「いいけど?」
「……………………………部屋、汚いね」
「ああ」
「片付けても……………いい?」
「ああ」
「…」
「………よろしくお願いします」
「…………うん」

答え。
「片付けてった」
「は!?誰が?」
俊平に答えは返ってこなかった。

正体は、
浅井家長女。
彼女は実の兄の部屋はめったに片付けないらしい。

とある日曜日の出来事である。